第1章 運動の表し方

等加速度直線運動の3公式
─ 使い分けの極意

速度が一定の割合で変化する運動を「等加速度直線運動」と呼びます。
この運動を記述する3つの公式は、力学の問題を解くうえで最も頻繁に使う道具です。
公式を丸暗記するのではなく、v-tグラフから導く原理を理解し、「どの公式を選ぶか」の判断力を身につけましょう。

1等加速度直線運動とは ─ どんな運動か

前の記事で扱った等速直線運動では、速度が一定でした。 しかし現実の多くの運動では、速度は時間とともに変化します。 なかでも、加速度が一定である運動を等加速度直線運動といいます。

加速度が一定とは、速度が毎秒同じだけ増加(または減少)するということです。 たとえば、加速度が $2\,\text{m/s}^2$ であれば、速度は1秒ごとに $2\,\text{m/s}$ ずつ増えていきます。

身近な等加速度運動の例

等加速度直線運動は、日常のさまざまな場面で現れます。

  • 自動車の加速・減速:アクセルを一定に踏み続けると、おおよそ等加速度で速度が増します。ブレーキも同様に、一定の割合で減速する場面があります
  • 自由落下:空気抵抗を無視すれば、重力による加速度 $g \approx 9.8\,\text{m/s}^2$ は一定です。これは次の記事で詳しく扱います
  • 斜面を滑り落ちる物体:摩擦を無視した滑らかな斜面上では、一定の加速度で物体が加速します

これらの運動に共通するのは、「物体に働く力が一定」であることです。 なぜ力が一定だと加速度が一定になるのかは、第2章のニュートンの運動の法則で明らかになります。 ここではまず、等加速度運動を数式で記述する方法を身につけましょう。

使う記号を整理する

この記事では、次の記号を使います。

  • $v_0$:初速度(時刻 $t = 0$ における速度)[$\text{m/s}$]
  • $v$:時刻 $t$ における速度 [$\text{m/s}$]
  • $a$:加速度(一定)[$\text{m/s}^2$]
  • $t$:経過時間 [$\text{s}$]
  • $x$:変位($t = 0$ の位置からのずれ)[$\text{m}$]
⚠️ 落とし穴:変位 $x$ と距離を混同する

変位は「位置の変化」であり、正負の符号をもつ量です。 出発点より右(正の向き)に進めば正、左(負の向き)に進めば負になります。

✕ 誤:「$x = -30\,\text{m}$ だから $30\,\text{m}$ 進んだ」(符号を無視している)

○ 正:「$x = -30\,\text{m}$ だから、負の向きに $30\,\text{m}$ の位置にいる」

一方、距離は「実際に移動した道のりの長さ」であり、常に正の値です。 物体が折り返す場合、距離と変位の大きさは一致しません。

23つの公式を導く ─ v-tグラフから読み解く

等加速度直線運動の3公式は、すべてv-tグラフ(速度-時間グラフ)から導くことができます。 v-tグラフを理解することが、3公式を「暗記」ではなく「理解」する鍵です。

💡 ここが本質:v-tグラフがすべてを語る

等加速度直線運動のv-tグラフは直線になります。 この直線から、3つの公式に登場するすべての量を読み取ることができます。

傾き = 加速度 $a$、y切片 = 初速度 $v_0$、直線上の点 = 時刻 $t$ での速度 $v$、直線と時間軸で囲まれた面積 = 変位 $x$。

3つの公式は、このグラフの読み方を数式にしたものにすぎません。 グラフのイメージをもっていれば、公式を忘れても自力で導き直せます。

第1式:速度と時間の関係

加速度 $a$ は「1秒あたりの速度変化」ですから、$t$ 秒間では速度が $at$ だけ変化します。 初速度 $v_0$ に、この変化量を加えたものが時刻 $t$ での速度 $v$ です。

▷ 第1式の導出

加速度の定義より、

$$a = \frac{v - v_0}{t}$$

これを $v$ について解くと、

$$v = v_0 + at$$

v-tグラフでは、$y$ 切片が $v_0$、傾きが $a$ の直線の式そのものです。

第2式:変位と時間の関係

v-tグラフにおいて、グラフと時間軸で囲まれた面積が変位 $x$ に等しいという性質を使います。 等加速度直線運動のv-tグラフは直線ですから、囲まれる図形は台形になります。

▷ 第2式の導出

v-tグラフと時間軸で囲まれた台形の面積を求めます。

上底 = $v_0$(時刻 $0$ での速度)、下底 = $v_0 + at$(時刻 $t$ での速度)、高さ = $t$ として、

$$x = \frac{1}{2}(v_0 + v_0 + at) \times t = \frac{1}{2}(2v_0 + at) \times t$$

展開すると、

$$x = v_0 t + \frac{1}{2}at^2$$

第3式:速度と変位の関係(時間を含まない式)

問題によっては、時間 $t$ が与えられず、直接求める必要もない場合があります。 そのようなときに威力を発揮するのが第3式です。 第1式と第2式から $t$ を消去して導きます。

▷ 第3式の導出

第1式 $v = v_0 + at$ を $t$ について解くと、

$$t = \frac{v - v_0}{a}$$

これを第2式 $x = v_0 t + \frac{1}{2}at^2$ に代入します。

$$x = v_0 \cdot \frac{v - v_0}{a} + \frac{1}{2}a \left(\frac{v - v_0}{a}\right)^2$$

$$= \frac{v_0(v - v_0)}{a} + \frac{(v - v_0)^2}{2a}$$

$$= \frac{2v_0(v - v_0) + (v - v_0)^2}{2a}$$

$$= \frac{2v_0 v - 2v_0^2 + v^2 - 2v_0 v + v_0^2}{2a}$$

$$= \frac{v^2 - v_0^2}{2a}$$

両辺に $2a$ を掛けると、

$$v^2 - v_0^2 = 2ax$$

📐 等加速度直線運動の3公式

第1式(速度-時間):$$v = v_0 + at$$

第2式(変位-時間):$$x = v_0 t + \frac{1}{2}at^2$$

第3式(速度-変位):$$v^2 - v_0^2 = 2ax$$

※ $v_0$:初速度、$v$:時刻 $t$ の速度、$a$:加速度(一定)、$t$:時間、$x$:変位。すべてSI単位系で扱う。
💡 ここが本質:3公式は独立ではない

第3式は第1式と第2式から $t$ を消去して導きました。 つまり、3つの公式のうち、どれか2つを知っていれば残りの1つは必ず導けるのです。

これは、等加速度直線運動が $v_0$、$a$、$t$ という3つのパラメータだけで完全に記述されることに対応しています。 3公式は、同じ運動を異なる角度から見た表現にすぎません。

⚠️ 落とし穴:加速度の符号を間違える

「減速」を「加速度が正」と書いてしまうミスは非常に多いです。

✕ 誤:車がブレーキをかけて減速 → $a = 3\,\text{m/s}^2$

○ 正:車がブレーキをかけて減速 → $a = -3\,\text{m/s}^2$(正の向きに進んでいる場合)

加速度の符号は運動の向きではなく、速度変化の向きで決まります。 速度が減少している場合、加速度は速度と逆向き(負の値)です。 正の向きを最初に定め、その向きに対して加速度の符号を決めましょう。

🔬 深掘り:微分と積分の予告

数学IIIの微分積分を学ぶと、3公式の関係がより鮮明になります。

速度は位置の時間微分:$v = \dfrac{dx}{dt}$

加速度は速度の時間微分:$a = \dfrac{dv}{dt}$

逆に、変位は速度の時間積分:$x = \displaystyle\int v\,dt$

第2式は、第1式 $v = v_0 + at$ を $t$ で積分したものにほかなりません。 微積分を使えば、加速度が一定でない場合にも運動を記述できるようになります。

33公式の使い分け ─ 「何が不要か」を見抜く

問題を解くとき、3つの公式のどれを使えばよいかを迷うことがあります。 使い分けのコツは、「与えられている量」を見ることではなく、「使わなくてよい量」を見抜くことです。

各公式に含まれる量を整理する

3つの公式にはそれぞれ5つの量($v_0$、$v$、$a$、$t$、$x$)のうち4つが登場します。 つまり、各公式には「含まれない量」が1つずつあるのです。

公式 含まれる量 含まれない量
第1式 $v = v_0 + at$ $v_0, \, v, \, a, \, t$ $x$(変位)
第2式 $x = v_0 t + \frac{1}{2}at^2$ $v_0, \, a, \, t, \, x$ $v$(最終速度)
第3式 $v^2 - v_0^2 = 2ax$ $v_0, \, v, \, a, \, x$ $t$(時間)
💡 ここが本質:公式選びの本質は「何が不要か」を見抜くこと

問題で与えられた情報と求めたい量を確認し、「与えられてもいないし、求める必要もない量」を特定してください。 その量を含まない公式が、使うべき公式です。

たとえば、初速度・加速度・距離が分かっていて最終速度を求める問題では、 時間 $t$ は与えられてもいないし求める必要もありません。 $t$ を含まない第3式が最適です。

この考え方を身につければ、「どの公式を使おう?」と迷うことがなくなります。

使い分けの具体的なパターン

よく出る組み合わせを整理しておきましょう。

  • 変位 $x$ が不要なとき → 第1式を使う(速度の時間変化を知りたいだけの問題)
  • 最終速度 $v$ が不要なとき → 第2式を使う(時間 $t$ 後の位置を知りたい問題)
  • 時間 $t$ が不要なとき → 第3式を使う(ブレーキ問題など、距離と速度だけの問題)

もちろん、1つの公式だけで解けない場合は、2つの公式を組み合わせて使います。 その場合も、まず「不要な量」を考える習慣をつけておくと、方針が素早く立てられます。

⚠️ 落とし穴:第3式で $v^2$ を計算したあと $\sqrt{\phantom{x}}$ を取るときに符号を落とす

第3式 $v^2 - v_0^2 = 2ax$ から $v$ を求めるとき、$v^2$ の値を計算した後に平方根を取ります。

✕ 誤:$v^2 = 100$ → $v = 10\,\text{m/s}$(正の値だけを取る)

○ 正:$v^2 = 100$ → $v = \pm 10\,\text{m/s}$。物理的な状況から正負を判断する

数学的には $v = \pm\sqrt{v^2}$ ですが、物理では運動の向きによって正負が決まります。 正の向きに進んでいれば $v > 0$、負の向きに進んでいれば $v < 0$ です。 符号は問題の状況を考えて選びましょう。

4典型的な問題設定を整理する

等加速度直線運動の問題は、与えられる量と求める量の組み合わせによっていくつかのパターンに分類できます。 ここでは代表的な3パターンを、具体的な数値を使って整理します。

パターンA:初速度・加速度・時間が既知 → 速度と変位を求める

これは最も基本的なパターンです。 たとえば、初速度 $v_0 = 5\,\text{m/s}$、加速度 $a = 3\,\text{m/s}^2$ で $t = 4\,\text{s}$ 後の速度と変位を求める場合を考えます。

速度は第1式から、$v = 5 + 3 \times 4 = 17\,\text{m/s}$ です。 変位は第2式から、$x = 5 \times 4 + \frac{1}{2} \times 3 \times 4^2 = 20 + 24 = 44\,\text{m}$ です。 第3式を使って検算すると、$v^2 - v_0^2 = 17^2 - 5^2 = 289 - 25 = 264$、$2ax = 2 \times 3 \times 44 = 264$ となり、一致します。

パターンB:初速度・最終速度・距離が既知 → 加速度を求める(ブレーキ問題)

自動車が $v_0 = 20\,\text{m/s}$ でブレーキをかけ、$x = 50\,\text{m}$ 進んで停止($v = 0$)した場合の加速度を求めます。

時間 $t$ は与えられておらず、求める必要もないので、第3式を使います。

$v^2 - v_0^2 = 2ax$ に代入すると、$0^2 - 20^2 = 2a \times 50$ より $-400 = 100a$ 、したがって $a = -4\,\text{m/s}^2$ です。 加速度が負の値になったのは、進行方向と逆向きに力がはたらいている(減速している)ことを意味します。

パターンC:加速度・時間・変位が既知 → 初速度を求める

ある物体が $a = 2\,\text{m/s}^2$ の加速度で運動し、$t = 6\,\text{s}$ で $x = 84\,\text{m}$ 移動した場合の初速度を求めます。

最終速度 $v$ は不要なので、第2式を使います。 $84 = v_0 \times 6 + \frac{1}{2} \times 2 \times 6^2$ より $84 = 6v_0 + 36$ 、したがって $6v_0 = 48$ 、$v_0 = 8\,\text{m/s}$ です。

⚠️ 落とし穴:減速して止まった後も式を適用してしまう

ブレーキをかけて減速する問題で、「止まるまでの時間」を超えた時刻の速度を第1式で求めると、負の値が出ることがあります。

✕ 誤:$v_0 = 10\,\text{m/s}$、$a = -2\,\text{m/s}^2$ で $t = 8\,\text{s}$ 後の速度 → $v = 10 + (-2) \times 8 = -6\,\text{m/s}$(「逆向きに動く」と解釈)

○ 正:停止時刻 $t_0 = \frac{10}{2} = 5\,\text{s}$ で速度は $0$ になる。 ブレーキをかけている物体は止まったら静止するので、$t > 5\,\text{s}$ では $v = 0$ のまま

3公式は「加速度が一定の区間」でのみ有効です。 物体が止まった瞬間に運動の状態が変わるため、それ以降に公式をそのまま使ってはいけません。

🔬 深掘り:等加速度運動が成り立つ条件

等加速度直線運動が成り立つのは、物体に働く合力が一定のときです。 ニュートンの運動の第2法則 $F = ma$ によれば、質量 $m$ が一定のもとで力 $F$ が一定なら、加速度 $a$ も一定になります。

現実には空気抵抗や摩擦が速度に依存するため、厳密な等加速度運動は理想化された状況です。 しかし、短い時間であれば良い近似として使えることが多く、物理の問題ではほとんどの場合この近似を前提にしています。

5この章を俯瞰する

等加速度直線運動の3公式は、力学のさまざまなテーマに直結しています。 ここで学んだ公式と考え方が、今後どのように使われるかを確認しておきましょう。

つながりマップ

  • ← M-1-4 等速直線運動:$a = 0$ の特別な場合。等速直線運動は等加速度運動の一部として理解できる。
  • → M-1-6 v-tグラフの読み方:3公式の背景にあるv-tグラフの読み取りを、より詳しく扱う。面積と変位の関係が中心テーマ。
  • → M-1-7 自由落下・鉛直投射:$a = g$(重力加速度)の等加速度運動。3公式がそのまま適用できる。
  • → 第2章 ニュートンの運動の法則:なぜ加速度が一定になるのか($F = ma$)。力と加速度の関係が明らかになる。
  • → 第3章 仕事とエネルギー:第3式 $v^2 - v_0^2 = 2ax$ はエネルギー保存則の原型。両辺に $\frac{1}{2}m$ を掛けると運動エネルギーの変化に対応する。

📋まとめ

  • 等加速度直線運動とは、加速度が一定の直線運動。v-tグラフは直線になる
  • 第1式 $v = v_0 + at$、第2式 $x = v_0 t + \frac{1}{2}at^2$、第3式 $v^2 - v_0^2 = 2ax$ の3公式ですべてを記述できる
  • 3公式は独立ではない。どれか2つから残り1つを導ける。v-tグラフから全て読み取れる
  • 公式選びの鍵は「不要な量」を見抜くこと。第1式は $x$ 不要、第2式は $v$ 不要、第3式は $t$ 不要
  • 加速度の符号に注意。減速は負の加速度。変位 $x$ も正負をもつ
  • 公式は「加速度が一定の区間」でのみ有効。物体が停止した後や運動状態が変わった後には適用できない

確認テスト

Q1. 初速度 $10\,\text{m/s}$、加速度 $2\,\text{m/s}^2$ で運動する物体の、$5$ 秒後の速度を求めてください。

▶ クリックして解答を表示第1式 $v = v_0 + at$ より、$v = 10 + 2 \times 5 = 20\,\text{m/s}$

Q2. 初速度 $0$、加速度 $3\,\text{m/s}^2$ で運動する物体の、$4$ 秒間の変位を求めてください。

▶ クリックして解答を表示第2式 $x = v_0 t + \frac{1}{2}at^2$ より、$x = 0 \times 4 + \frac{1}{2} \times 3 \times 4^2 = 24\,\text{m}$

Q3. 初速度 $20\,\text{m/s}$ で走行中の自動車がブレーキをかけ、$50\,\text{m}$ 進んで停止しました。加速度を求めてください。

▶ クリックして解答を表示第3式 $v^2 - v_0^2 = 2ax$ より、$0^2 - 20^2 = 2a \times 50$ → $-400 = 100a$ → $a = -4\,\text{m/s}^2$

Q4. 等加速度直線運動の3公式のうち、時間 $t$ を含まないものはどれですか。

▶ クリックして解答を表示第3式 $v^2 - v_0^2 = 2ax$。この式は $t$ を含まず、速度と変位だけの関係を表します。

8入試問題演習

この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

1-5-1 A 基礎 公式の適用 計算

静止していた自動車が一定の加速度 $2.0\,\text{m/s}^2$ で発進した。次の問いに答えよ。

(1) 発進してから $10\,\text{s}$ 後の速度を求めよ。

(2) 発進してから $10\,\text{s}$ 間に進んだ距離を求めよ。

(3) 速度が $30\,\text{m/s}$ に達するまでに進んだ距離を求めよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(1) $20\,\text{m/s}$

(2) $100\,\text{m}$

(3) $225\,\text{m}$

解説

方針:$v_0 = 0$(静止)、$a = 2.0\,\text{m/s}^2$ を各公式に代入する。(3)は $t$ が不要なので第3式を使う。

(1) 第1式より $v = 0 + 2.0 \times 10 = 20\,\text{m/s}$

(2) 第2式より $x = 0 \times 10 + \frac{1}{2} \times 2.0 \times 10^2 = 100\,\text{m}$

(3) 第3式より $30^2 - 0^2 = 2 \times 2.0 \times x$ → $900 = 4.0x$ → $x = 225\,\text{m}$

B 発展レベル

1-5-2 B 発展 ブレーキ問題 論述

$72\,\text{km/h}$ で走行中の自動車がブレーキをかけたところ、一定の加速度で減速し、$50\,\text{m}$ 進んで停止した。次の問いに答えよ。

(1) ブレーキによる加速度の大きさを求めよ。

(2) ブレーキをかけてから停止するまでの時間を求めよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(1) $4.0\,\text{m/s}^2$

(2) $5.0\,\text{s}$

解説

方針:まず単位を変換する。$72\,\text{km/h}$ を $\text{m/s}$ に変換してから公式を適用する。

$v_0 = 72\,\text{km/h} = 72 \times \frac{1}{3.6} = 20\,\text{m/s}$、$v = 0$(停止)、$x = 50\,\text{m}$

(1) 時間は不要なので第3式を使う。

$v^2 - v_0^2 = 2ax$ → $0 - 20^2 = 2a \times 50$ → $-400 = 100a$ → $a = -4.0\,\text{m/s}^2$

加速度の大きさは $|a| = 4.0\,\text{m/s}^2$

(2) 第1式より $0 = 20 + (-4.0) \times t$ → $4.0t = 20$ → $t = 5.0\,\text{s}$

採点ポイント
  • $\text{km/h}$ → $\text{m/s}$ の単位変換を正しく行う(2点)
  • 第3式を適切に選び、加速度を正しく求める(4点)
  • 加速度が負であることに言及し、大きさを答える(2点)
  • 第1式から時間を正しく求める(2点)

C 応用レベル

1-5-3 C 応用 2段階の運動 論述

静止状態から出発した電車が、最初の $20\,\text{s}$ 間は一定の加速度 $1.5\,\text{m/s}^2$ で加速し、その後は加速をやめて等速直線運動に移った。出発してから $50\,\text{s}$ 後までに電車が進んだ距離の合計を求めよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

$1200\,\text{m}$

解説

方針:運動を2つの区間に分け、それぞれの変位を求めて合計する。第1区間は等加速度運動、第2区間は等速直線運動。

第1区間($0 \leq t \leq 20\,\text{s}$):等加速度運動

$v_0 = 0$、$a = 1.5\,\text{m/s}^2$、$t_1 = 20\,\text{s}$

第1式より、$20\,\text{s}$ 後の速度 $v_1 = 0 + 1.5 \times 20 = 30\,\text{m/s}$

第2式より、変位 $x_1 = 0 \times 20 + \frac{1}{2} \times 1.5 \times 20^2 = 300\,\text{m}$

第2区間($20\,\text{s} \leq t \leq 50\,\text{s}$):等速直線運動

速度 $v_1 = 30\,\text{m/s}$ で $t_2 = 50 - 20 = 30\,\text{s}$ 間走行

変位 $x_2 = 30 \times 30 = 900\,\text{m}$

合計:$x_1 + x_2 = 300 + 900 = 1200\,\text{m}$

採点ポイント
  • 2つの区間に分けて考える方針を明記する(2点)
  • 第1区間の最終速度 $30\,\text{m/s}$ を正しく求める(2点)
  • 第1区間の変位 $300\,\text{m}$ を正しく求める(2点)
  • 第2区間が等速直線運動であることを明示する(1点)
  • 第2区間の時間が $30\,\text{s}$ であることを正しく処理する(1点)
  • 合計距離 $1200\,\text{m}$ を正しく求める(2点)