第7章 運動量の保存

一直線上の非弾性衝突
─ 完全非弾性衝突

弾性衝突では運動エネルギーが保存されましたが、現実の衝突ではエネルギーの一部が熱や音、変形に変わります。
特に、衝突後に2物体がくっついて一体となる完全非弾性衝突は、運動量保存だけで速度が求まる最もシンプルな衝突です。
「どれだけエネルギーが失われるか」を定量的に計算する方法を身につけましょう。

1非弾性衝突とは

衝突を運動エネルギーの保存の観点から分類すると、次の3種類になります。

衝突の種類運動エネルギー反発係数 $e$
弾性衝突保存される$e = 1$
非弾性衝突一部が失われる$0 < e < 1$
完全非弾性衝突最大限に失われる$e = 0$

非弾性衝突とは、衝突前後で運動エネルギーが保存されない衝突のことです。 失われたエネルギーは、物体の変形、熱、音などに変換されます。

その極端なケースが完全非弾性衝突($e = 0$)で、衝突後に2物体が一体となって動きます。 粘土の衝突、弾丸が木片に突き刺さる場合などが典型例です。

💡 ここが本質:完全非弾性衝突は「運動量保存だけ」で解ける

完全非弾性衝突では、衝突後の速度は1つだけ(一体で動くから)です。未知数が1つなので、運動量保存の式1本で解けます。

弾性衝突では運動量保存+エネルギー保存の2式が必要でしたが、完全非弾性衝突はより簡単です。

2完全非弾性衝突の解法

質量 $m_1$ の物体が速度 $v_1$ で、質量 $m_2$ の静止している物体に衝突し、一体となる場合を考えます。

📐 完全非弾性衝突の基本公式

運動量保存則:

$$m_1 v_1 + m_2 v_2 = (m_1 + m_2)\,V$$

衝突後の速度:

$$V = \frac{m_1 v_1 + m_2 v_2}{m_1 + m_2}$$

※ $v_2 = 0$(静止)の場合、$V = \dfrac{m_1 v_1}{m_1 + m_2}$ となる。衝突後の速度は必ず衝突前より小さい。

具体例:弾丸と木片

質量 $10\,\text{g}$ の弾丸が速度 $400\,\text{m/s}$ で、質量 $1.99\,\text{kg}$ の静止した木片に撃ち込まれ、一体となった場合を計算します。

$m_1 = 0.010\,\text{kg}$、$v_1 = 400\,\text{m/s}$、$m_2 = 1.99\,\text{kg}$、$v_2 = 0$ とすると、

$$V = \frac{0.010 \times 400 + 1.99 \times 0}{0.010 + 1.99} = \frac{4.0}{2.0} = 2.0\,\text{m/s}$$

弾丸の速度は $400\,\text{m/s}$ から $2.0\,\text{m/s}$ へと激減します。これは質量比が大きいからです。

⚠️ 落とし穴:単位の不統一

弾丸の問題では質量が g で与えられることが多いです。必ず kg に統一しましょう。

✕ 誤:$V = \dfrac{10 \times 400}{10 + 1990}$(g と kg が混在)

○ 正:$V = \dfrac{0.010 \times 400}{0.010 + 1.99}$(すべて kg に統一)

両方が動いている場合

両方の物体が動いている場合も、運動量保存の式は同じです。 向きを正負で区別することを忘れないでください。

例:質量 $3.0\,\text{kg}$ の物体 A が $+4.0\,\text{m/s}$ で、質量 $2.0\,\text{kg}$ の物体 B が $-1.0\,\text{m/s}$ で正面衝突し、一体となった場合、

$$V = \frac{3.0 \times 4.0 + 2.0 \times (-1.0)}{3.0 + 2.0} = \frac{12 - 2.0}{5.0} = 2.0\,\text{m/s}$$

🔬 深掘り:重心速度との関係

完全非弾性衝突後の速度 $V$ は、実は衝突前の重心速度に等しくなっています。

$$V_G = \frac{m_1 v_1 + m_2 v_2}{m_1 + m_2}$$

これは運動量保存の必然的な結果です。外力が働かなければ重心速度は一定なので、衝突後の一体の速度は重心速度そのものです。

3エネルギー損失の計算

完全非弾性衝突では、運動エネルギーの一部が失われます。失われたエネルギーを定量的に求めましょう。

📐 エネルギー損失

衝突前の運動エネルギーの合計:

$$K_{\text{前}} = \frac{1}{2}m_1 v_1^2 + \frac{1}{2}m_2 v_2^2$$

衝突後の運動エネルギー:

$$K_{\text{後}} = \frac{1}{2}(m_1 + m_2)\,V^2$$

エネルギー損失:

$$\Delta K = K_{\text{前}} - K_{\text{後}}$$

$v_2 = 0$ の場合の損失率

静止物体への完全非弾性衝突の場合、エネルギー損失率を計算すると非常にきれいな式が得られます。

▷ エネルギー損失率の導出

$v_2 = 0$ のとき、$V = \dfrac{m_1 v_1}{m_1 + m_2}$ より、

$$K_{\text{前}} = \frac{1}{2}m_1 v_1^2$$

$$K_{\text{後}} = \frac{1}{2}(m_1 + m_2)\left(\frac{m_1 v_1}{m_1 + m_2}\right)^2 = \frac{m_1^2 v_1^2}{2(m_1 + m_2)}$$

損失率:

$$\frac{\Delta K}{K_{\text{前}}} = 1 - \frac{K_{\text{後}}}{K_{\text{前}}} = 1 - \frac{m_1}{m_1 + m_2} = \frac{m_2}{m_1 + m_2}$$

📐 エネルギー損失率($v_2 = 0$ の完全非弾性衝突)

$$\frac{\Delta K}{K_{\text{前}}} = \frac{m_2}{m_1 + m_2}$$

※ 的($m_2$)が重いほど損失が大きい。$m_2 \gg m_1$ なら、ほぼ全エネルギーが失われる。

先ほどの弾丸と木片の例では、$\dfrac{\Delta K}{K_{\text{前}}} = \dfrac{1.99}{2.0} = 0.995$ つまり 99.5% のエネルギーが失われます

💡 ここが本質:運動量は保存、エネルギーは減少

非弾性衝突で最も大切なポイントは、運動量は常に保存されるが、運動エネルギーは減少するということです。

運動量はベクトル量(方向がある)、運動エネルギーはスカラー量(常に正)であることが、この違いの本質的な理由です。内力(衝突力)は作用・反作用の法則で運動量を保存しますが、エネルギーは内部の変形などに変換されうるのです。

⚠️ 落とし穴:「エネルギー保存」を使ってしまう

非弾性衝突で運動エネルギー保存の式を立てるのは誤りです。

✕ 誤:$\dfrac{1}{2}m_1 v_1^2 = \dfrac{1}{2}(m_1+m_2)V^2$(エネルギーが保存されるとした)

○ 正:$\dfrac{1}{2}m_1 v_1^2 > \dfrac{1}{2}(m_1+m_2)V^2$(エネルギーは減少する)

衝突問題でエネルギー保存が使えるのは弾性衝突($e = 1$)のときだけです。

4反発係数との関係

非弾性衝突は反発係数 $e$($0 \le e \le 1$)で特徴づけられます。

📐 反発係数(はねかえり係数)

$$e = -\frac{v_1' - v_2'}{v_1 - v_2} = \frac{\text{衝突後の相対速度の大きさ}}{\text{衝突前の相対速度の大きさ}}$$

※ $v_1, v_2$:衝突前の速度、$v_1', v_2'$:衝突後の速度。正の向きを統一すること。

完全非弾性衝突では $v_1' = v_2' = V$ なので $e = 0$ となります。 一般の非弾性衝突($0 < e < 1$)では、運動量保存と反発係数の式を連立して衝突後の速度を求めます。

一般の非弾性衝突の解法

運動量保存の式と反発係数の式の2本を連立します。

$$\begin{cases} m_1 v_1 + m_2 v_2 = m_1 v_1' + m_2 v_2' \\ v_1' - v_2' = -e(v_1 - v_2) \end{cases}$$

これを $v_1'$、$v_2'$ について解くと、

$$v_1' = \frac{m_1 v_1 + m_2 v_2 + m_2 e(v_2 - v_1)}{m_1 + m_2}$$

$$v_2' = \frac{m_1 v_1 + m_2 v_2 + m_1 e(v_1 - v_2)}{m_1 + m_2}$$

🔬 深掘り:エネルギー損失と反発係数

反発係数 $e$ とエネルギー損失には次の関係があります。$v_2 = 0$ の場合、

$$\frac{\Delta K}{K_{\text{前}}} = \frac{m_2(1 - e^2)}{m_1 + m_2}$$

$e = 1$ のとき損失 $0$(弾性衝突)、$e = 0$ のとき損失最大(完全非弾性衝突)であることが確認できます。

5この章を俯瞰する

非弾性衝突は、運動量保存とエネルギー変換の理解を深める重要なテーマです。

つながりマップ

  • ← M-7-3 運動量保存則:非弾性衝突でも運動量保存は成り立つ。保存則の適用範囲を確認。
  • ← M-7-4 弾性衝突:弾性衝突($e=1$)との対比で非弾性衝突の特徴が明確になる。
  • → M-7-6 壁・床との衝突:反発係数を壁や床との衝突に応用する。
  • → M-7-7 平面上の衝突:一直線上の衝突を2次元に拡張する。
  • → M-7-8 分裂と合体:完全非弾性衝突の逆過程である「分裂」を扱う。

📋まとめ

  • 非弾性衝突では運動量は保存されるが、運動エネルギーは減少する
  • 完全非弾性衝突($e=0$)では2物体が一体となり、$V = \dfrac{m_1 v_1 + m_2 v_2}{m_1 + m_2}$
  • エネルギー損失率($v_2=0$ のとき):$\dfrac{\Delta K}{K_{\text{前}}} = \dfrac{m_2}{m_1+m_2}$
  • 一般の非弾性衝突は運動量保存+反発係数の2式で解く
  • 完全非弾性衝突後の速度は重心速度に一致する
  • 衝突で失われたエネルギーは熱・音・変形に変わる

確認テスト

Q1. 完全非弾性衝突の反発係数 $e$ の値はいくつですか。

▶ クリックして解答を表示$e = 0$。衝突後に2物体が一体となり、相対速度が $0$ になるため。

Q2. 質量 $2.0\,\text{kg}$ の物体 A が速度 $6.0\,\text{m/s}$ で、静止している質量 $4.0\,\text{kg}$ の物体 B に衝突し一体となった。衝突後の速度を求めよ。

▶ クリックして解答を表示$V = \dfrac{2.0 \times 6.0}{2.0 + 4.0} = 2.0\,\text{m/s}$

Q3. Q2の衝突で失われた運動エネルギーはいくらですか。

▶ クリックして解答を表示$K_{\text{前}} = \dfrac{1}{2}\times 2.0 \times 6.0^2 = 36\,\text{J}$、$K_{\text{後}} = \dfrac{1}{2}\times 6.0 \times 2.0^2 = 12\,\text{J}$。損失 $= 36 - 12 = 24\,\text{J}$

Q4. 非弾性衝突で保存されるのは運動量と運動エネルギーのどちらですか。

▶ クリックして解答を表示運動量。運動エネルギーは保存されず、一部が熱・音・変形などに変わる。

8入試問題演習

非弾性衝突の問題を入試形式で演習しましょう。

A 基礎レベル

7-5-1 A 基礎 完全非弾性衝突計算

なめらかな水平面上で、質量 $3.0\,\text{kg}$ の物体 A が速度 $4.0\,\text{m/s}$ で右向きに進み、静止している質量 $1.0\,\text{kg}$ の物体 B に衝突して一体となった。$g = 9.8\,\text{m/s}^2$ として、次の問いに答えよ。

(1) 衝突後の速度を求めよ。

(2) 衝突で失われた運動エネルギーを求めよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(1) $V = 3.0\,\text{m/s}$(右向き)

(2) $\Delta K = 6.0\,\text{J}$

解説

(1) 運動量保存:$3.0 \times 4.0 = (3.0 + 1.0)\,V$

$12 = 4.0\,V$ → $V = 3.0\,\text{m/s}$

(2) $K_{\text{前}} = \dfrac{1}{2} \times 3.0 \times 4.0^2 = 24\,\text{J}$

$K_{\text{後}} = \dfrac{1}{2} \times 4.0 \times 3.0^2 = 18\,\text{J}$

$\Delta K = 24 - 18 = 6.0\,\text{J}$

7-5-2 A 基礎 正面衝突計算

なめらかな水平面上で、質量 $2.0\,\text{kg}$ の物体 A が $+5.0\,\text{m/s}$ で、質量 $3.0\,\text{kg}$ の物体 B が $-3.0\,\text{m/s}$ で正面衝突し一体となった。衝突後の速度と向きを求めよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

$V = 0.20\,\text{m/s}$(正の向き=A の初速の向き)

解説

運動量保存:$2.0 \times 5.0 + 3.0 \times (-3.0) = (2.0 + 3.0)\,V$

$10 - 9.0 = 5.0\,V$ → $V = 0.20\,\text{m/s}$

$V > 0$ なので、A の初速の向き(正の向き)に動く。

B 発展レベル

7-5-3 B 発展 弾丸エネルギー損失

質量 $20\,\text{g}$ の弾丸が速度 $v_0$ で飛び、静止している質量 $1.98\,\text{kg}$ の木片に撃ち込まれて一体となった。衝突後、一体は速度 $2.0\,\text{m/s}$ で動き出した。

(1) 弾丸の初速度 $v_0$ を求めよ。

(2) 衝突で失われた運動エネルギーを求めよ。

(3) エネルギー損失率を求めよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(1) $v_0 = 200\,\text{m/s}$

(2) $\Delta K = 396\,\text{J}$

(3) 約 $99\%$

解説

(1) 運動量保存:$0.020 \times v_0 = (0.020 + 1.98) \times 2.0$

$0.020\,v_0 = 4.0$ → $v_0 = 200\,\text{m/s}$

(2) $K_{\text{前}} = \dfrac{1}{2} \times 0.020 \times 200^2 = 400\,\text{J}$

$K_{\text{後}} = \dfrac{1}{2} \times 2.0 \times 2.0^2 = 4.0\,\text{J}$

$\Delta K = 400 - 4.0 = 396\,\text{J}$

(3) $\dfrac{396}{400} = 0.99 = 99\%$

公式 $\dfrac{m_2}{m_1+m_2} = \dfrac{1.98}{2.0} = 0.99$ でも確認できる。

採点ポイント
  • 単位を kg に統一して運動量保存の式を立てる(3点)
  • $v_0$ を正しく求める(2点)
  • エネルギー損失を正しく計算する(3点)
  • 損失率を求める(2点)
7-5-4 B 発展 反発係数計算

なめらかな水平面上で、質量 $2.0\,\text{kg}$ の物体 A が速度 $8.0\,\text{m/s}$ で右向きに進み、静止している質量 $2.0\,\text{kg}$ の物体 B に衝突した。反発係数 $e = 0.50$ のとき、衝突後の A、B の速度をそれぞれ求めよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

$v_A' = 2.0\,\text{m/s}$、$v_B' = 6.0\,\text{m/s}$(ともに右向き)

解説

運動量保存:$2.0 \times 8.0 = 2.0\,v_A' + 2.0\,v_B'$

$v_A' + v_B' = 8.0$ …①

反発係数:$v_A' - v_B' = -0.50 \times (8.0 - 0) = -4.0$ …②

①+②:$2\,v_A' = 4.0$ → $v_A' = 2.0\,\text{m/s}$

①より $v_B' = 8.0 - 2.0 = 6.0\,\text{m/s}$

採点ポイント
  • 運動量保存の式を正しく立てる(3点)
  • 反発係数の式を正しく立てる(3点)
  • 連立方程式を正しく解く(2点)
  • 答えが正しい(2点)

C 応用レベル

7-5-5 C 応用 弾丸貫通論述

質量 $m$ の弾丸が速度 $v_0$ で、静止している質量 $M$ の木片に撃ち込まれた。弾丸は木片を貫通し、速度 $\dfrac{v_0}{3}$ で飛び出した。

(1) 貫通後の木片の速度を求めよ。

(2) 衝突で失われた運動エネルギーを求めよ。

(3) 弾丸が貫通せずに木片内に留まった場合と比べて、エネルギー損失は大きいか小さいか。理由とともに答えよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(1) $V = \dfrac{2m\,v_0}{3M}$

(2) $\Delta K = \dfrac{m\,v_0^2}{2}\left(\dfrac{8}{9} - \dfrac{2m}{9M}\right) = \dfrac{4m\,v_0^2(M - \dfrac{m}{4})}{9M}$

(3) 貫通した場合の方がエネルギー損失は小さい。

解説

(1) 運動量保存:$m\,v_0 = m \cdot \dfrac{v_0}{3} + M\,V$

$M\,V = m\,v_0 - \dfrac{m\,v_0}{3} = \dfrac{2m\,v_0}{3}$

$V = \dfrac{2m\,v_0}{3M}$

(2) $K_{\text{前}} = \dfrac{1}{2}m\,v_0^2$

$K_{\text{後}} = \dfrac{1}{2}m\left(\dfrac{v_0}{3}\right)^2 + \dfrac{1}{2}M\left(\dfrac{2m\,v_0}{3M}\right)^2 = \dfrac{m\,v_0^2}{18} + \dfrac{2m^2\,v_0^2}{9M}$

$\Delta K = K_{\text{前}} - K_{\text{後}}$(整理して具体的な値を出す)

(3) 完全非弾性衝突では運動エネルギーが最大限に失われる(重心系でのエネルギーがすべて失われる)。貫通する場合は相対運動が残るため、エネルギー損失は完全非弾性衝突より小さい。

採点ポイント
  • 運動量保存の式を正しく立てる(2点)
  • $V$ を正しく求める(2点)
  • エネルギー損失の計算(3点)
  • (3)の理由を完全非弾性衝突と比較して述べる(3点)
7-5-6 C 応用 衝突+振り子融合

長さ $L$ の糸で天井から吊るされた質量 $M$ の木片(弾道振り子)に、質量 $m$ の弾丸を水平に速度 $v_0$ で撃ち込む。弾丸は木片に埋まり、一体となった木片が高さ $h$ まで上がった。

(1) 衝突直後の一体の速度 $V$ を $m$、$M$、$v_0$ で表せ。

(2) $V$ を $g$、$h$ で表せ。

(3) (1)(2)から弾丸の初速度 $v_0$ を $m$、$M$、$g$、$h$ で表せ。

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解答

(1) $V = \dfrac{m\,v_0}{m + M}$

(2) $V = \sqrt{2gh}$

(3) $v_0 = \dfrac{m + M}{m}\sqrt{2gh}$

解説

(1) 衝突は瞬間的なので、衝突前後で運動量保存が成り立つ。

$m\,v_0 = (m + M)\,V$ → $V = \dfrac{m\,v_0}{m + M}$

(2) 衝突後はエネルギー保存が成り立つ(糸の張力は仕事をしない)。

$\dfrac{1}{2}(m + M)\,V^2 = (m + M)\,gh$ → $V = \sqrt{2gh}$

(3) (1)と(2)を等置して、

$\dfrac{m\,v_0}{m + M} = \sqrt{2gh}$ → $v_0 = \dfrac{m + M}{m}\sqrt{2gh}$

これが弾道振り子の原理です。高さ $h$ を測定すれば弾丸の速度がわかります。

採点ポイント
  • 衝突時に運動量保存を正しく使う(3点)
  • 衝突後の振り子の運動にエネルギー保存を使う(3点)
  • $v_0$ を正しく導く(2点)
  • 「衝突ではエネルギー非保存、振り子ではエネルギー保存」の使い分けの意識(2点)